中国株の豆知識

CSRCとは

 中国証券監督管理委員会CSRC(China Securities Regulatory Commission)は大陸の株式市場において絶大な権力を持っています。91年国務院証券委員会とともに成立、98年には道委員会と合併、国務院直属機関となりました。

 CSRCはその傘下に上海証券交易所、深セン証券交易所があり、私たちが株式投資する場合にはこのCSRC関係者の言動には目を配っていくべきです。

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B株国内開放とは?

 もともとB株は外貨の獲得を目的にした外国の人用市場でした。しかし長期低迷が続き、2001年CSRCは国内投資家のB株取引を承認しました。それまで合法的に外貨を所有していた大陸の人が外貨の運用を求めてこぞって参入し、社会現象にまでなりました。この事は、中国の証券市場がそれまで抱えてきた問題を調整し、A・B株市場の統合と国際化を促進するものといえます。

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銀広夏粉飾決算事件

 2000年深センA株に上場していた「銀広夏(こうかじつぎょう)」は有料企業といわれ株価も急激に上昇していました。いわゆる「株価神話」に値する上昇率でした。ところが2001年ふたを開けてみれば、日本円にして120億円近い粉飾決算をしていたことが発覚し、上場廃止となりました。

 銀広夏はB株を発行していなかったので、日本人を含む海外投資家たちは被害をまぬがれましたが、企業による情報開示の信用性に大きな疑問を抱かせる事件となりました。

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株はあくまでその国の未来に対する投資である

 上海、深センの大陸株式市場には値幅制限があります。「値幅制限」とは一日の値幅変動が極端にならないように、一定の幅を儲けることをいいます。大陸株式市場では一日の変動が上下10%、またST銘柄は5%を越えると取引停止となります。

 取引再開後の銀広夏(こうかじつぎょう)は10日間連続−10%という値幅変動が続き、異例の連続ストップ安を更新するといういかにも悲惨なものでした。株は投資であってギャンブルではありません。棚ぼたのようなおいしい話はないのです。

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中国の外交促進

 社会主義経済時代の大陸株式は、外国にとってはとても閉鎖的で、市場経済が導入されるまで中国と外国との関わりは極めて薄いものでした。しかし、2001年WTOに加盟したことにより中国は外交促進に力を入れ、今や中国と世界経済との関係は密接なものとなりました。

 現在の大陸株式は国内情勢に左右される方が大きいですが、これからは世界の経済情勢の影響も視野に入れる必要が出てくるでしょう。

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9.11の影響

 まだ記憶に新しい2001年9.11事件により、NYと密接に連動していた香港市場は大打撃を受けました。ところが、大陸市場にはほとんど影響がなかったのです。それはなぜか?大陸が市場経済を導入して約20年経ちますが、それまでの閉鎖的な社会主義計画経済により、世界経済と中国経済との差はまだ大きなものだったからです。

 世界経済と差があったために影響を受けずにすんだ大陸市場は現在、その一方でWTO加盟により世界に追いつこうと必至です。それだけにその勢いには目覚しいものがあります。

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世界経済と大陸市場との連動

 国際標準化の促進により、対外貿易が盛んに行われるようになった中国ですが、とくに衣類や家電の輸出の好調には目を見張るものがあります。日本でもMade in Chinaのタグはもう当たり前です。世界進出を果たした中国は、進出した分だけ海外経済の影響を受けることになりました。

 いまや世界経済と大陸市場は切っても切れない関係にあります。大陸株を知るには世界経済をも視野に入れる必要があるということです。

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法人株とは

 中国の非流通株式には国有株のほかに法人株があります。法人株とは国有企業や法人資格を有する社会団体などが保有している株式のことで、市場での流通性が極めて低いのが特徴です。それら非流通株式は全株式の2/3ほどにも及ぶといわれています。取引されているのがたったの1/3とは驚きですね。

1:2
 1:2とは中国の流通株と非流通株の割合です。つまりは、大陸株式市場で取引されている株は全体のわずか1/3なのです。市場で取引出るのが全体のたった3割となれば、その株には希少価値がつきます。その仕組みによって、大陸株式市場での株価収益率は一般よりぐんと高くなっているのです。

 もし、残りの7割も流通したらどうなるでしょう?もちろん希少価値はなくなりますよね。希少価値のないものに高い値はつきません。国有株が放出されると困る企業が多くあるというのは、こういうことなのです。

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大陸株式市場の問題

 株式市場への上場には、企業の株式公開という情報開示が義務づけられていますが、非流通株が7割もあるということは、株式の大部分は未公開になっているといわざるを得ません。矛盾していますよね。市場の発展にともない、現状ではこうした矛盾を放置するわけにはいかなくなっています。しかし、これを解消するには大きな問題があるのです。それを解決するに当たり、中国政府の力量が問われています。

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希少価値は力なり

 非流通株を市場に流せば、当然その希少価値はなくなります。今までの2倍以上流通するわけですから、株主によっては壊滅的な被害を受ける可能性もあるでしょう。それなれば、被害を受ける前にその株を売ってしまおう、となるのは必至です。実際、当局が国有株放出を発表するたびに株価は暴落しています。2005年にCSRCが発表した解決策がどう転がるかに明暗はかかっているといえるでしょう。

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一人っ子政策の代償

 中国では急激な人口増加を防ぐため、70年代後半「一人っ子政策」を発表しました。そのおかげで自然人口増加率は抑えられ、人々の生活水準は豊になりました。しかし、30年経った今、重要な問題が生じているのです。それは高齢化による働き手の不足です。

 高齢者への社会保障投入が増える一方で、働き手の不足によって生産コストが上昇し、経済の発展は制約されています。政府が国有株を放出したい理由の一つに、高齢化が社会・経済の発展よりも進んでいるという現状の打破があるようです。

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得をするのは結局国?

 非流通株式が放出され、損をするのは既存の株主です。では、得をするのは誰か?それは非流通株主である国です。国有株の株主が一個人であれば問題のない話です。株式によって正当に利益を上げるのですから

 しかし、国となれば話は変わります。国民が豊かになるためにある市場ですから政府はこれを保護する側にあります。その国が市場で利益を得るということは、国民が投資したお金を懐に入れるということです。これに国民が黙っているわけがありません。それだけに、CSRC(中国証券監督管理委員会)は頭を悩ませているのです。

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国民のためとはいうけれど

 2001年、中国当局は国有株の放出により得た利益で、高齢化問題における社会保障の資金調達をすることを提案しました。とどのつまりは国民に返ってくるのです。しかし、高齢化の問題を引き押したのは元をただせば政府の一人っ子政策によるもの。その尻拭いを国民にさせるのですから、大陸の株主が黙っているはずがありませんよね。

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2002年国有株放出?!

 株式の急落により、2002年6月中国政府は、国有株放出を一時停止しました。その後、CSRCは「国有株放出による社会保障資金調達の管理暫定規則」で国有株放出による社会保障資金調達はしないと決定しました。市場の安定を第一に考えたのです。結果として、市場はもとの落ち着きを取り戻しましたが、国有株放出を前提とした政府の態度に、株主はハラハラさせられました。

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2005年国有株放出?!

 2005年、中国政府は試験的解決策を発表しました。主な内容は、@非流通株の流通が認められても、初年は放出できない。A2年目からも年間、発行済み株数の5%以上を放出してはいけない。B24ヶ月以内に10%以上放出してはいけない。C1%以上の非流通株を放出した場合、2営業日以内に情報開示する。など、市場に与える影響を最大限配慮したものとなっており、テスト企業による導入から始め本格的に国有株放出に向け動き出しています。

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社会主義からの脱却

 国有株の放出は様々な問題を含んでいますが、株式市場発展のために避けては通れない道です。国有株が放出されなければ、市場規模は小さいままですし、社会主義計画経済から完全に抜け出すことはできません。中国の国際標準化や国内民主化は中国の発展に必要不可欠な項目なのです。3歩進んで2歩下がりながらも、中国は着実に前に進んでいるといえるでしょう。

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