中国株の統合を見逃すな!

珍特徴!?A株とB株

 現在の大陸株式市場には中国居住民のみ取引できるA株と外国人も取引できるB株、2種類の株が流通しています。通常、一つの市場において複数種の株が出回ることはありません。同一額面、同一権利の株が、その取引対象によって、2種存在する大陸市場のこの現状は珍しくもあり、また投資家にとっては不便でもある大陸市場の特徴と言えるでしょう。

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国内投資家へのB株開放

 B株が外国人専用だった頃、A株価格がB株価格の3倍以上になることもあるほど、二株の間には差がありました。また、B株式市場は小規模な上に取引銘柄も限られていたので、海外投資家の参入があまりなく、市場には活気が見られませんでした。このため、中国政府はA、B株の価格の均等化、そしてB株市場の活性化を求めてB株市場を国内投資家にも開放したのです。

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国内投資家が参入したB株は

 B株が国内投資家にも開かれたことによって、お得なB株市場には中国人投資家がどっと押し寄せました。その結果、わずか数ヶ月の間に、3,4倍もの急騰を見せる銘柄が続出しました。しかし、その活気も長くは続かず、多くの投資家がこの急騰を利用し、持ち株を売ってしまったことが要因で現在ではかつての活気を失っています。

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A株に海外投資家が参入したら?

 現在は一部の海外投資家にしか開かれていない中国の人専用のA株ですが、これが海外にも開放されたらどうなるか?機関投資家など、資金力のある海外の投資家がこぞって参入し、大陸市場はこれをコントロールできなくなります。

 しかし、WTOの加盟により中国は海外に開かれた国にならざるを得ません。諸問題を解決する条件を立て2002年QFII制度を導入し、海外投資家の参入を認めました。

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機関投資家とは?

 機関投資家の育成が遅れている中国は、長年A株の海外投資家の参入を敬遠していました。機関投資家とは、利益を上げることを目的とし株式や債券に大口の運用を行う企業のことをいいます。顧客から投資金を預かり、それを運用して利益を還元するので多くの資金をまとめて運用することができ、市場に大きな影響を与えます。

 ファンド運用会社、証券会社、保険会社、普通銀行、共済組合、農業団体などがこれにあたります。

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発展途上国であるがゆえ

 発展途上国であるがゆえ、中国ではA株式の国内独占や、外貨の流出入をきびしく規制してきました。
海外投資家によるA株参入、外貨流通を取り締まることで国内産業、市場を保護しようとしたのです。

 国を発展させるためには国内の産業や市場が発展しなければなりません。そのために、外貨や海外投資家からこれらを保護し、同時に育成することがもっとも重要な課題だったのです。

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A株とB株の統合

 WTO加盟以来、中国は国際標準化を目指してきました。発展途上国であるというレッテルを解消しつつも、A株市場を海外投資家に開放するため、2002年QFII(Qualified Foreign Institutional Investor)制度導入を検討し始めました。

 海外投資家にはきびしい制限が設けられているので、参入できる企業はよほどの大手のみですが、これよりA、B株の垣根がなくなり、将来的には統合されるのではという見方が強まっています。

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だんだんにA株式開放の道へ

 株式市場を設立した1990年代の中国経済は貧弱でした。しかし、将来起こりうるWTO加盟→株式市場の国外開放→外貨規制の撤廃のために着実に準備しなければなりません。

 結果、発表されたのが「段階的な市場開放」です。当初A株を国内用に、B株を国外用にすることで、B株市場によって得た経験からだんだんにA株も開放し、将来的にはA株がB株を吸収する方法をとったのです。これがA、B株の統合です。

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外貨制限の撤廃

 2003年年末より、一定の条件を満たす外資系銀行は、国内での全ての外貨取り扱い業務ができるようになりました。業務範囲に基づいて定められた運営資金、資本金の条件を満たしていれば、外資系銀行は、中国内外の顧客に全ての外貨取扱業務を行うことができるとしたのです。完全な外貨制限の撤廃は2006年をめどとされています。

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人民元の切り上げ

 人民元の切り上げとは、通貨である元の価格を上げることをいいます。1994年以来、人民元の相場は米ドルに対し1ドル=約8,27元という、ほぼ固定相場となっています。これを切り上げるということは、元高=ドル安を意味します。輸入時には得をしますが、輸出には損です。

 2005年7月ついに人民元の切り上げが実施されました。段階的にという中国のスタイルから今回は2%の切り上げでした。今後ますます目が離せません。

人民元が切り上げされると
 元の価値が上がるので、ドルで物を買うときには安く買えるという利点があります。逆に、中国株式に投資している場合は、金額が減り、損です。例えば、切り上げ後1ドル=8元になったとします。10000ドルの投資額は1ドル=8,27元だったときより、2700元投資金額が減るわけです。

 また、元高になると中国の製品が高くなるため、ユニクロ現象で得た「高品質、低コスト」という評判が消え、結果として外国が中国製品の輸入をストップするかもしれません。私たち投資家にとって今後も目が離せない複雑な問題であることは間違いありません。

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A株を超える勢いのB株

 かつてB株価はA株価の1/2といわれていました。A株市場で100円とすれば、同株がB株市場では50円で買えたわけです。いずれはB株価が上昇しA株価に追いつく=A,B株の統合といわれてきました。ところが、B株市場に国内投資家の参入が認められ、B株価がA株価を追い越す事態にまでなったのです。しかし、その高値を利用して持ち株を一気に売ってしまう投資家が後を絶たず、その後B株市場は活気を失ってしまいました。

10:1
 10:1とはA株とB株における上場企業数の比率です。A,B株が統合されれば、私たち外国人投資家が取引できる銘柄は10倍にも増えるわけです。ほとんど無限の選択肢ができるのです。
 またその市場規模は世界にも引けをとらないほどになるでしょう。中国経済の成長の表れです。想像してみてください。その選択肢の広さを!A,B株という中国株の統合を見逃すな!とはこういうことなのです。

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上海と深センの市場

 一般に上海市場と深セン市場は日本の東京と大阪のようなものといわれますが、実際にはそうではありません。日本の株式市場では、国際的な影響力などを加味するとやはり東京と大阪には差がうまれるのです。しかし、上海と深センはまったく同格といえます。

 同格の市場が国内に複数あるというのは投資家にとっても不便であるし、なにより必要性が見出せません。こういったことから現在、両市場のA株同士、B株同士をまとめ、上海市場に一本化する流れとなっています。

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メインボードが上海なわけ

 上海と深センのA株同士、B株同士をまとめ上海に統合するという考えがありますが、ではなぜ上海に統合なのか?それは、上海の知名度が大きく関係しています。海外に向けた市場開放を進める中で深センよりも上海の方が一般に広く知られているからです。

 また、香港と同格の金融センターを確率するのに、香港により近い上海に統合しようという考えのようです。現に上海には、陸家嘴(りくかし)という国内外の金融機関が集積している金融貿易区があり、世界の注目を集めています。

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深センに「創業板」開設

 2004年、深センに中国版ナスダックともいえる「創業板」が開設されました。これまで、開設にあたりさまざまな議論が交わされ、何度も延期されてきた「創業板」ですが、この日を境に進行企業向け株式市場の歴史の第一歩を踏み出したといえます。

 バブル崩壊により世界各国が受けた打撃を考えると、この「創業板」がたどる道のりも決して平坦であるとはいえません。しかし、世界の悪影響をあまり受けない大陸市場の特徴が、上海にメインボード、深センに創業板という2大市場の確立を実現させることでしょう。

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創業板開設に至るまで

 当初、「創業板」は200年には開設される予定でした。しかし、国際市場でネットバブルがはじけ延期せざるを得ませんでした。翌2001年にはバブル崩壊のあおりを受けて香港GEMが低調し、「創業板」開設は更に延期されたのでした。

 数々の問題をくぐりぬけて、「創業板」は2004年にようやく開設されたのです。しかし、当初は深センメインボードの一部としての位置づけにとどまっています。過去の歴史を見れば、このような段階的措置はやむを得ないでしょう。

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メインボードと創業板の相乗効果を期待して

 なかなか開設されない「創業板」でしたが、その裏にはさまざまな論議が飛び交っていました。現状のメインボードが整備されなければ、創業板を設立しても共倒れになる、という意見の一方で、早期創業板開設をあてにして多くのベンチャー企業が誕生しました。しかし、度重なる延期にそれらの企業が業を煮やし、香港市場への上場に踏み出したのです。

 こうした企業の大陸離れを深刻に受け止め、中国政府は創業板開設に踏み切ったのです。創業板を整備していくのと平行してメインボードの問題も解決されていくという相乗効果を期待しているようです。

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外貨獲得のための市場

 中国株はA、B株だけではありません。上場市場それぞれの頭文字がついたH,L,S株なども注目すべきです。中国が国有企業対策として市場経済を取り入れて以来、海外からの資金調達が可能になりました。現在の中国株式市場に海外からの資金調達、外貨獲得に適している市場は2つあります。香港のH株市場と大陸のB株市場です。この二つの市場にはほとんど違いはありません。

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B株とH株、どちらかはいらない?

 同じ性質をもった株式は2つもいらないという声があります。しかしその問題は単純ではありません。B株は大陸株式統合にあたり、段階を踏むための試験的な役割をもっています。B株で得た経験をもとにA株の海外開放を目指しているのですから、今の段階でB株をなくすわけにはいきません。

 ではH株はどうなのか?H株の株価変動は国内情勢、またニューヨーク情勢に敏感に反応します。現在ではH株上場企業がA株にも上場していることも多く、それだけ大陸株式市場と密接なつながりを持っているので、やはりなくすわけにはいかないのです。

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H株の優位性

 大陸企業ではA株発行よりもH株発行の方が好まれていました。理由は簡単です。A株が国内取引のみであるのに対し、H株は香港上場を果たすと同時に、企業の世界進出も果たすことができるからです。しかし現在では、H株発行企業のA株発行も認められており、世界進出の土台を築きながら国内上場を目指す企業も出てきました。

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